特定の金融商品・金融機関を推奨するものではありません。投資は元本が変動し損失が生じる可能性があります。
結論:少額をこれから積み立てて始めたい場合はつみたて投資枠を優先し、すでに投資経験があり一度にまとまった額を投じたい場合は成長投資枠を優先するのが基準です。
NISA(少額投資非課税制度)を始めようとして、つみたて投資枠と成長投資枠のどちらを優先するかで迷うことがあります。両方の枠を併用できる制度ではありますが、最初にどちらへ資金を多く配分するかは、投資の経験と資金の性質によって判断が分かれます。この記事ではつみたて投資枠と成長投資枠の違いを客観情報で整理し、3つの基準で切り分けます。なお、特定の金融商品・金融機関名は本記事では挙げていません。制度の内容は変更される場合があるため、具体的な条件は公的機関および各金融機関の最新の案内でご確認ください。
つみたて投資枠と成長投資枠は、そもそも何が違うのか?
2つは「どちらが得か」ではなく、投資の方法と、対象となる商品の範囲が違います。
投資方法の違い
つみたて投資枠は、定期的に一定額を自動で積み立てる投資方法に対応した枠とされています。成長投資枠は、積み立てだけでなく、まとまった額を一度に投じる一括投資にも対応している点が異なります。
対象商品の範囲の違い
つみたて投資枠は、長期の積立・分散投資に適した一定の条件を満たす投資信託等に対象が絞られているとされています。成長投資枠は対象となる商品の範囲がつみたて投資枠より広く、個別株式等も対象に含まれる場合があります。対象の広さは選択の自由度であり、同時に自分で選ぶ範囲が広がることも意味します。
| 比較の観点 | A:つみたて投資枠 | B:成長投資枠 |
|---|---|---|
| 投資方法 | 定期的な積み立てが中心 | 積み立て・一括投資の両方に対応 |
| 対象商品の範囲 | 一定の条件を満たす投資信託等に限定 | 個別株式等も含め範囲が広い |
| 商品選びの負担 | 対象が絞られているため選びやすい | 選択の自由度が高い分、自分で選ぶ負担が増える |
| 向いている状態 | これから少額を定期的に積み立てたい | 投資経験があり、まとまった額を投じたい |
表のとおり、Aは「決まった額を定期的に続ける」ことを優先する枠、Bは「自分で選択肢を広げて投じる」ことを優先する枠です。比較すべきなのは枠の名称ではなく、自分がすでに投資の判断経験を持っているかどうかです。
つみたて投資枠と成長投資枠、どちらを優先するかを決める3つの基準
基準1:これまでに投資信託・株式等を選んだ経験があるか
最も判定力の高い基準です。投資の経験がまだない場合、対象商品が一定の条件で絞られているつみたて投資枠のほうが、商品選びで迷う範囲が狭く、始めやすい場合があります。すでに投資信託や株式を自分で選んだ経験がある場合は、成長投資枠の広い対象範囲を活かしやすくなります。
基準2:一度に投じられるまとまった資金があるか
毎月の収入から少額を積み立てる形で始めたい場合はつみたて投資枠が中心になります。すでに貯蓄等でまとまった資金があり、一括で投じる選択を検討している場合は、成長投資枠でなければその投資方法に対応できません。
基準3:元本が変動することへの心構えがどれくらいできているか
いずれの枠を使う場合も、投資信託・株式等は元本が保証されておらず、価格が変動し損失が生じる可能性があります。初めての投資で心構えがまだ薄い場合は、少額から始められるつみたて投資枠のほうが、変動への慣れを作りやすい場合があります。
3つの基準で見る、つみたて投資枠が向いている人・成長投資枠を検討してよい人
つみたて投資枠を優先することが向いているのは、次のような場合です
- 投資の経験がまだなく、商品選びの範囲を絞って始めたい
- 毎月の収入から少額を定期的に積み立てたい
- 元本の変動に対する心構えをまず少額で作りたい
成長投資枠を検討してよいのは、次のような場合です
- すでに投資信託・株式等を自分で選んだ経験がある
- 一括で投じられるまとまった資金がある
- 個別株式等、つみたて投資枠より広い対象から選びたい
基準が割れた場合の決め方
基準が割れた場合は、基準1(投資経験の有無)を優先することをおすすめします。 基準2(まとまった資金の有無)は、つみたて投資枠で少額から始めながら資金を準備し、後から成長投資枠へ広げることもできます。一方、投資経験がないまま対象の広い成長投資枠で商品選びを始めると、選択肢の多さ自体が負担になりやすいため、経験の有無を先に確認するほうが進めやすくなります。なお、両方の枠は併用できるとされており、どちらか一方に限定する必要はありません。
始める前に、先にやっておくこと
- 生活費とは別に、投資に回しても生活に影響しない金額の範囲を確認する
- 非課税保有限度額・年間投資枠等の制度の条件を公的機関の最新の案内で確認する(本記事の情報は公開時点のものです)
- つみたて投資枠・成長投資枠それぞれの対象商品の一覧を、検討している金融機関の公式サイトで確認する
- どちらの枠を使う場合も、投資信託・株式等には価格変動のリスクがあり、損失が生じる可能性があることを前提に金額を決める
よくある質問
Q. つみたて投資枠と成長投資枠は両方同時に使えますか?
A. 両方の枠を併用できるとされています。本記事は「最初にどちらへ資金を多く配分するか」という優先順位の付け方を扱っています。
Q. iDeCoとNISA、どちらを先に始めるべきですか?
A. 本記事はNISA内の枠の選び方のみを扱っており、iDeCoとNISAどちらを優先するかは別の判断軸(60歳より前に資金を使う可能性があるか等)によります。あわせて下記のリンク先の記事もご確認ください。
Q. 投資初心者でも成長投資枠を使ってよいですか?
A. 制度上は可能ですが、対象商品の範囲が広い分、自分で商品を選ぶ負担が増えます。初めての場合は、対象が絞られているつみたて投資枠から始め、慣れてから成長投資枠を検討する進め方も一般的な選択肢です。
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iDeCoとNISA、どっちから始める?判断を分ける3つの基準 — NISA内の枠を選ぶ前に、そもそもiDeCoとNISAのどちらから始めるべきか迷っている場合は、こちらの比較記事をご確認ください。
執筆者情報
本記事は、お金カテゴリ(お金に関する意思決定を扱う記事)の執筆方針に基づき、断定的な結論や利益の保証を避け、読者自身が判断基準を持てるようになることを目的として執筆しています。特定の金融商品・金融機関を推奨するものではなく、個別の投資判断や税務判断に対する助言を行うものでもありません。実在の監修者は現時点でいないため、執筆方針の明記のみを行っています。また、個人の体験談を結論の断定材料として用いていません。税制および各制度の条件は法改正によって変わる場合があり、適用の可否は個々の状況によって異なります。具体的な検討にあたっては、公的機関の最新の案内をご確認いただくか、税理士・ファイナンシャル・プランナー等の専門家へご相談ください。本記事に広告(PR)リンクは含まれていません。

