返済額をできるだけ確定させたいなら固定金利、当初の返済額を抑えたいなら変動金利を選ぶのが基準です。
特定の金融機関・商品の推奨は行っていません。金利情勢は変動するため、本記事は個別の借入判断を行うものではありません。
住宅ローンを組む際、固定金利と変動金利のどちらを選ぶかで迷うことがあります。固定金利は返済額が借入時点で確定する一方で金利水準が変動金利より高めに設定される傾向があるとされ、変動金利は当初の金利が低めに設定される一方で将来の金利上昇により返済額が増える可能性があるとされています。この記事では固定金利と変動金利の違いを客観情報で整理し、判断を分ける3つの基準で切り分けます。なお、具体的な金利水準の試算や個別の借入判断は扱っていません。
「固定金利」と「変動金利」は、そもそも何が違うのか?
2つの違いは「どちらが得か」ではなく、返済額の見通しやすさと、適用される金利水準です。
返済額の見通しやすさの違い
固定金利は借入時点で返済終了まで(または一定期間)の金利が確定するため、将来の返済額をあらかじめ見通しやすいとされています。変動金利は市場金利に応じて定期的に適用金利が見直されるため、将来の返済額が借入時点では確定しないとされています。見通しやすさと引き換えに何を負担するかが出発点になります。
金利水準の違い
変動金利は、固定金利に比べて借入当初の金利水準が低めに設定される傾向があるとされています。固定金利は、将来の金利変動リスクをあらかじめ金融機関側が織り込む分、変動金利より金利水準が高めに設定される傾向があるとされています。当初の返済額の低さを取るか、将来にわたる確実性を取るかの選択になります。
| 比較の観点 | A:固定金利 | B:変動金利 |
|---|---|---|
| 返済額の見通し | 借入時点でほぼ確定 | 市場金利により将来変動しうる |
| 当初の金利水準 | 変動金利より高めの傾向 | 固定金利より低めの傾向 |
| 金利上昇時の影響 | 影響を受けない(固定期間中) | 返済額が増える可能性がある |
| 向いている考え方(例) | 返済計画を確定させたい | 当初の返済負担を抑えたい |
表のとおり、Aは「金利が高くても返済額を確定させる」選択、Bは「返済額が変動する可能性を受け入れて当初の負担を抑える」選択です。比較すべきなのはどちらが得かではなく、将来の金利上昇をどれだけ許容できる家計かどうかです。
固定金利と変動金利を選ぶ3つの基準
基準1:家計に金利上昇への余力があるか
最も判定力の高い基準です。返済額が増えても家計に吸収できる余力がある場合は変動金利も検討対象になりやすく、返済額の変動を避けたい・家計に余力が少ない場合は固定金利が検討対象になりやすいとされています。
基準2:返済期間がどれくらい長いか
返済期間が長いほど、その間に金利が変動する可能性も高くなるとされています。短期間で完済する見込みがある場合は変動金利の影響を受ける期間が短くなりますが、長期にわたる返済を見込む場合は、固定金利で見通しを確保する考え方もあります。
基準3:返済計画をどこまで確定させたいか
将来のライフプラン(教育費・老後資金等)とあわせて住宅ローンの返済額をあらかじめ確定させておきたい場合は、固定金利のほうが計画を立てやすいとされています。当初の返済負担を抑えることを優先し、将来の金利動向を見ながら柔軟に対応したい場合は変動金利も選択肢になります。
3つの基準で見る、固定金利が向いている人・変動金利を検討してよい人
固定金利が検討対象になりやすいのは、次のような場合です
- 返済額の変動を避け、家計の計画をあらかじめ確定させたい
- 返済期間が長く、金利上昇の影響を受ける期間も長くなる見込みがある
- 金利上昇時に家計へ与える影響を吸収する余力が少ない
変動金利を検討してよいのは、次のような場合です
- 当初の返済負担をできるだけ抑えたい
- 金利が上昇した場合でも家計に吸収できる余力がある
- 返済期間が比較的短い、または繰上げ返済等で早期完済の見込みがある
基準が割れた場合の決め方
基準が割れた場合は、基準1(家計に金利上昇への余力があるか)を優先することをおすすめします。 当初の返済負担が低いことに魅力を感じても、金利上昇時に家計が耐えられなければ返済計画自体が崩れる可能性があるためです。固定金利と変動金利を組み合わせる商品(一部を固定・一部を変動にする等)がある場合もあるため、金融機関への確認もあわせて検討してください。
選ぶ前に、先にやっておくこと
- 複数の金融機関で金利タイプごとの条件を比較する(本記事の情報は公開時点のものです)
- 変動金利を検討する場合は、金利が一定幅上昇した場合の返済額をシミュレーションしておく
- 固定金利・変動金利を組み合わせた商品の有無を金融機関に確認する
- 繰上げ返済の予定がある場合は、その時期と金利タイプの関係も確認する
よくある質問
Q. 変動金利から固定金利に途中で切り替えられますか?
A. 金融機関や商品によっては、返済途中で金利タイプを切り替えられる場合があるとされています。切替の条件・手数料の有無は金融機関によって異なるため、契約前に確認することをおすすめします。
Q. 固定金利と変動金利、どちらが総返済額は少なくなりますか?
A. 将来の金利動向によって結果が変わるため、本記事では断定していません。金利が大きく上昇しなければ変動金利のほうが総返済額が少なくなる場合もありますが、確実な予測はできません。
Q. 繰上げ返済のタイミングはどう考えればよいですか?
A. 金利タイプの選択と繰上げ返済のタイミングは関連する判断です。あわせて下記のリンク先の記事もご確認ください。
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住宅ローンの繰上げ返済、いつ行うのがよいか — 金利タイプを決めたら、繰上げ返済のタイミングもあわせてご確認ください。
NISAの選び方|つみたて投資枠と成長投資枠、どちらを優先するか — 住宅ローンの返済計画とあわせて資産形成を検討する場合はこちらもご確認ください。
執筆者情報
本記事は、お金カテゴリ(お金に関する意思決定を扱う記事)の執筆方針に基づき、断定的な結論や特定の金融機関の推奨を避け、読者自身が判断基準を持てるようになることを目的として執筆しています。特定の金融機関・商品を推奨するものではなく、個別の借入判断に対する助言を行うものでもありません。実在の監修者は現時点でいないため、執筆方針の明記のみを行っています。また、個人の体験談を結論の断定材料として用いていません。金利情勢・各商品の条件は変動するため、具体的な検討にあたっては、各金融機関の最新の案内をご確認いただくか、ファイナンシャル・プランナー等の専門家へご相談ください。本記事に広告(PR)リンクは含まれていません。

